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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.26
「いい業者」が中野にやってきた!

松島 奈巳
 息子が通っている「中野区立西鷺宮保育園」が,2006年4月から「公設民営化」される。
 現行,年間2億円かかっている保育園運営費が,民間委託すれば1億5千万円に圧縮される。それでいて延長保育の実施など,民間パワーによって対応も迅速に,保育の質は向上するらしい。半年もの間,説明会の席上で,中野区子ども家庭部からこんな話を聞かされてきた。
 とりわけ衝撃的だったのは,当時の柳澤部長の名言だった。民営化の白紙撤回を要求する父母に対して,「1,2年,民営化が遅れると,いい業者はよその区に持ってかれちゃいますよ。それでいいんですか?」。東京都全体の待機児童問題や出生率1.29などものともしない姿勢に,アッパレと恐れ入谷の鬼子母神であった。
 民営化に名乗りをあげた事業者は4つ。すでに中野区議会の採決により,大田区や品川区に持っていかれることなく「いい業者」は決定した。八王子で2つの保育園を運営する「清心福祉会」という社会福祉法人である。4月1日をもって,30人もの職員は総とっかえになる。でも保育士の多くはこれからの募集になり,シーズン前に選手をかき集めた楽天イーグルスと同じ。「収入」は年間1億5千万円と一定ゆえ,「支出」を増やすことはできない。職員にとっては骨身を削って保育につとめても給料は上がりにくいシステムなのだ。うーん,これじゃ保育士の定着率が心配だ。
 将来,お子さんが通っている保育園に「民営化」の白羽の矢が立てられたら……。ためらいなく,この一点だけはアドバイスできる。「説明会に参加するのはおよしなさい」。どんな要求や意見を投げかけても,「なぜ,できないのか」という回答しか用意してないから。

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