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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.32
「平和を実現する人々は,幸いである。」

高柳 富夫
 むとう有子さんに初めてお会いしたのは,教育現場における日の丸・君が代強制の問題を考える集会でした。中野区内の小学校の入学式で,PTA会長に選任された方が,東京都教育委員会による日の丸・君が代の強制や,それに従わない教師を処分する状況に対して批判的な意見を述べたために,会長を辞めざるを得ない事態に追い込まれる事件が起こりました。その時,真っ先にこの問題に真摯に向き合い,この方の叫びを聴き取って応答されたのがむとうさんでした。
 その会長さんが行ったスピーチの内容は,子どもたちが自由に自ら考える力を養う場としての教育の大切さを示す,全く真っ当で,爽やかで,力強いメッセージでした。このような考えを述べることが会長としてふさわしくないと判断されるとは,なんという愚かで恐ろしい時代になって来ていることであろうかと驚いたものです。
 むとうさんは,このような声を聴き取って,見過ごしにすることなく,すぐにこの会長さんの声を皆で聞く集会を開くことを実践されました。このような出来事に心を動かすセンスと,すぐに行動に移す実践力こそ,平和を実現するためにとても大切であると思います。
 そして今,教育基本法が変えられてしまいました。国を愛する心や公共の精神の名の下に,個人の人権や自由が抑制されていく危険が大いに懸念されます。愛国心を強制はしないと言いますが,全く同じことをあの日の丸・君が代を国旗・国歌とする時も言っていたのです。強制はしないと言いながら,強制し処分することが起こったように,今度は愛国心や滅私奉公が押し付けられ,通知表で評価され,それに従わない教師が処分されるというようなことが起こってこないと言えるでしょうか。
 再び,悪い時代がやってきつつあると思われるときにこそ,むとうさんのようなセンスと行動力をもった市民の代表が必要です。

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