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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.41
   「介護は、会議室で起きているんじゃない! 現場で起きているんだ!」

 宮原 和道

 ん? どこかで聞いたようなセリフですね。はい、NPO法人ピクニックケアで活動している、地域のケアマネージャー宮原です。ケアマネは、中野区だけではなく数ヶ所の区を担当し、介護を必要とする方に介護計画を作成することが主な仕事です。よって、保険者(区)ごとに違う福祉サービス内容や細かい判断基準を全部覚えておかなくてはなりません。そのため各区の違いをツイ比較してしまいます。
 先日も、ある高齢者が他区のリハビリテーション病院から退院する際に「退院後は通所リハビリをした方が良い」との指示を受けました。しかし、中野区には通所リハビリ施設が2ヶ所しかなく、希望通りの日時対応の調整が困難なのが現状です。
 また、認知症で独居生活の方が、「そろそろ一人での生活は難しいのでグループホームを考えてみては?」と、主治医からアドバイスを受けました。そもそもグループホームは地域密着型施設と位置づけられているため、中野区民は区内のグループホームにしか入所できません。その上、施設数が少なく家賃も高いので、生活保護受給者は入所したくても入所できません。
 その他、老人保健施設も1ヶ所で、ショートステイも中野区は不足しており、隣接区にお願いすることが多い実態です。高齢者福祉サービスの基盤整備の立ち後れが、中野区の大きな課題です。
 また、介護職は高齢者の命を預かる責任の重い仕事の割には低賃金(平均年収258万円)であるため、人材が集まらず、在宅のヘルパーさんも少なく、残念ながら十分な対応ができないことも多々あります。ですから緊急でヘルパー要請事業が必要な状況です。
 中野区内のケアマネとして2003年から活動し、昨秋、不安いっぱいの中野区の介護現場を良くしていきたいとの想いから、仲間を求めて自らNPO法人を立ち上げました。高齢者の人生を、陽だまりの中でぬくもりを感じながら過ごせるような、ピクニックのような人生にするために。
 むとうさんには、安心して老いることができる中野の福祉を目指して頑張って欲しいものです。

*NPO法人ピクニックケア連絡先・6657-9325

 

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