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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.50
   友よ 弱いままでいてくれよ

                八代 信

     猫がさけんでいる
     恋というには あつかましい
     もう 春だよ というには
     さわがしすぎて

    ひとはみな ひとり
    弱いまま ひとりきりさ
    つぶやいても 夜は夜で
    明けない夜はない といっても
    暗いままの ときがつづく

    ひとなんだ
    ひと と ひと
    ひと ひと ひと
    ささえあわなければ
    やっていけない
    弱いから ひと なんだ
    暗い夜が あるから
    ひとなんだ

    ふたりになろうとする思い
    三人になろうとする思い
    ひとと ひとと ひとと
    それはまた
    ちから などというものを
    うみだすのも ひと ひとびと

    だから
    ひとりくらい
    ひとくくりの ひとびとのなかに
    ひとりくらい
    権力とあらがいつづける人がいてもいい

    全員与党なんて気持悪いよ
    権力にみすてられる人が
    ひとりでもいるかぎり
    その権力にあらがう人がいてもいい
    ね 弱いひと
    ね さみしいひと つらいひと
    暗い夜に
    さまざまな思いを抱いているひと
    こどもの頃は みな
    ひとのために生きたいと思っていたさ

    そんな思いを 持ちつづけて
    友よ
    弱いままでいてくれよ
    このまま このまま






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