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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.54
   親友の死を悼んで

                              丸谷 明

 私の親友は、今年2月5日に膵臓ガンで息を引き取りました。70歳でした。2010年の夏に膵臓ガンの第4ステージと告知され、あと半年の命だと宣告されました。しかし、その後1年半も元気に過ごすことができました。本当に幸運だと思います。それでも少しずつ悪くなり、この2月1日にいきなり腹部の激痛に襲われ、往診の医師の指示で急遽入院し、その後モルヒネの点滴を受け痛みは軽くなったのですが、意識は次第にもうろうとして、4日目に穏やかな顔で亡くなりました。

 彼は、膵臓ガンと並行して大腿骨頭壊死もあり、ダブルパンチだったのですが、最後まで前向きな考え方を持ち、ただ死ぬのを待つだけの人生を送りたくないと言い、痛む足を引きずって杖をつきながら色々な講演会、例えば水俣病の問題、アイヌ民族の問題、原子爆弾の問題、第五福竜丸の問題、原子力発電の問題等と真剣に取り組み勉強に励んでいました。彼はいつも自分とは何か、ということについて深く考えていました。そして今度生まれてくる時には人の為になるような人生を送りたい。例えば足尾銅山の折に大活躍した田中正造さんのように、と言っていました。
 また、彼は地域の問題にも興味を持ち、地域にある病院の患者会の役員をしたり、区議会議員むとう有子さんの選挙のお手伝いをしたりして日々を意義深く過ごし、お友達も増えていきました。

 彼はガンの告知を受けながら手術は受けず、抗ガン剤治療も受けず、最後までガンと共に生き、緩和ケアーで過ごしました。本当にガンの痛みに苦しんだのは1日ぐらいだったことが、毎日見守った私には今となっては、せめてもの慰めになっています。 私は、これからも彼から学んだことをじっくり味わいながら生きてゆきたい、と思っています。

 ★彼の病気や社会問題に対する姿勢に敬意を表するとともに、心からご冥福をお祈りいたします。   むとう有子



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