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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.63
   この国は何処へ向かうのか  ―フランス人記者の目

          岡田 豊

 今この国は、不戦の旗を掲げた船を下り、富国強兵という船に乗り換えようとしている。そんな思いにかられていた時、「菅官房長官が逆ギレ 仏記者が指摘した09年の『自民提言』」という日刊ゲンダイ(7月12日Web版)の記事が目にとまった。この記事がなかなか読ませるのだ。

 7月11日、菅官房長官が外国人プレスクラブで「アベノミクス」効果を自画自賛する内容の講演を行い、その後、海外メディアの質問が集団的自衛権の閣議決定や拉致問題、中韓との関係に集中するなかでそれは起こったという。
 仏人記者が日本語で「自民党は2009年12月16日に民主党政権の政治主導に対して緊急提言をまとめ、国民のものである憲法を一内閣が恣意的に解釈変更することは許されないとしたが、安倍政権は憲法を解釈変更した。提言当時の考え方は今も変わらないのか?」との質問に、「それは、まったくあたらない」と気色ばんで答え、「司会者から質問の英訳後に答えるようたしなめられてしまうほど冷静さを欠いていた」とある。

 日本の安全保障政策の大転換の直後である。仏人記者の質問は、解釈改憲の矛盾を鋭く的確についている。対して菅は、何の説明もできずにただ反発することしか出来なかったのだ。よく閣議決定に署名できたものだと呆れる。
 ところが、この出来事を主要各紙は黙殺したのだ。新聞が「社会の木鐸」であったのは何時のことだろうか。いたずらに「自己規制」を行い、政府の見解を無批判に報道する今のマスコミの姿を象徴してはいないだろうか。

 足元を見てみよう。3月3日の予算総括質疑でむとう議員は、「非核宣言自治体協議会の分担金が予算化されていないのはなぜか」と質問した。この質問によって中野区が「非核宣言都市自治体協議会」から脱会しようとしていることが明らかになった。批判的な目を持ち事実を掘り起こし「おかしいことは、おかしい」と声をあげることが今ほど問われている時はない。



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