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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.64
   空しさと腹立たしさ

          中川 曉

  九月十六日、久しぶりに区議会での一般質問を聞く。傍聴席に着いた時は、自民党の議員が質問中で、区長がくり返し答弁に立つ。休憩をはさんで議会が再開、むとう有子さんの質問が始まった。

 富山へ出かけて、直接に見聞きし調査した「富山型デイサービス」は、既存の縦割り福祉にはない多機能で、かつ柔軟なケアサービスとして、全国的な注目と評価を受けているという。地域の身近な場所で、お年寄りや小さな子どもたち、障がいのある方が個々の状況に合わせて、きめ細かい介護が受けられる仕組みだ。「富山型地域共生福祉」は、県内に広く普及し、「富山型デイサービス推進特区」の特別措置は二〇〇六年から、通所サービスは二〇一〇年から、宿泊サービスは二〇一一年から、児童発達支援、放課後等デイサービスは二〇一三年から、全国で実施が可能になっているという。富山県の福祉は発展し続けており、年齢や障がいの有無に関係なく、共に暮らせる街づくりを積極的に進める姿勢に、むとうさんは深い感銘を受けたという。

 質問は二点、「富山型デイサービスについて、中野区はどのような認識をお持ちなのか」さらに、「これまでの福祉行政の枠にとらわれず、富山型デイサービス事業の実施に向けた検討を始めてはどうか、区の見解をお聞きしたい」。

 以下は区民サービス管理部長の答弁。「富山型デイサービス事業実施について、高齢者、障がい者、障がい児が一緒に過ごす施設につきましては、今のところ事業者や利用者からのニーズも無いことから、実施に向けた検討を行う予定はありません」。 人に対応する態度が、ひどく無愛想で、そっけない様子を「木で鼻を括る」という。 今に始まったことではないが、
 まさにこのことばにぴったりの返答、区長は横を向いて知らん顔をしている。

 議員は区民の代表者であり、質問は区民の知りたいこと、聞きたいことを要約している。行政担当者には、もう少し血の通ったことばはないものかと、わたしは腹立しさを抑えながら帰途についた。



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