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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.65
   消費税の軽減税率にごまかされるな

       (元静岡大学教授・税理士)
                ことう    きょうじ
                         湖東 京至

 消費税の不公平性や低所得者対策として軽減税率を導入することを主張する人々がいます。でも誤魔化されてはいけません。例えば飲食料品に軽減税(8%)が適用されたとします。価格は低い税率のまま抑えられるでしょうか。

 例えばペットボトルをみてみましょう。中の水は軽減税率だとしても、容器やキャップ、ラベルの印刷代、自販機、運送料などは10%です。価格を決めるのは企業ですから、そうした周辺の消費税分を価格に上乗せすることも自由です。消費税はまことに奇妙奇天烈、不透明でいい加減な税制です。消費税分を価格に上乗せしてもしなくても法律違反になりません。
 ですから企業に「おすがりして」軽減税率適用物品の価格を据え置いてもらうわけです。消費者物価が確実に安くなる保証はありません。また、仮に安くなったとしても、飲食料品は低所得者も高所得者も買います。むしろ高所得者のほうがたくさん買いますから、恩恵は低所得者より高所得者にいくことになります。

 軽減税率で得をするのはその商品を扱う企業です。消費税は個々の物品に課税する仕組みではなく、企業が1年間の売上高に10%をかけた金額から、仕入などに10%をかけた金額を引いて1年間の税金を計算して納めます。ですから、軽減税率商品を売る企業は売上高に10%ではなく8%をかけるため、納税額が少なくて済むのです。消費者はまったく無関係です。

 ドイツのマインツ大学ペフェコーベン元教授は軽減税率について「表面上は消費者への利益のように見せながら実際には特定企業への補助金を達成させてしまう」と指摘し、軽減税率の撤廃を唱えています。軽減税率は悪税・消費税の延命措置でしかありません。賢い消費者は軽減税率にだまされてはいけません。

 賢い消費者の代表むとう有子さんは消費税反対の旗頭。がんばれむとう有子さん。

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