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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.69
   次世代へ残すべきレガシー

          小池 福朗

 新年明けましておめでとうございます。私は日本橋の会社に勤めるサラリーマンです。妻と娘の三人でここ中野へ引っ越してきて、四回目のお正月を迎えました。私たちの家からは、新宿の高層ビル群が望め、夜景がとてもきれいです。また朝夕は、近所にあるお寺の鐘が風情を感じさせてくれます。この新旧の対比は、この街ならではです。
 しかし悩みもできました。自宅周辺に、幼い娘と一緒に遊べる公園が少ないことです。

 中野区における公園の面積は区全体の3%にも満たない、23区では豊島区に次ぐ少なさです。中野駅前に『四季の森公園』がありますが、冬はビルの陰となり、寒くてとても遊べるような環境にありません。一方、その一キロ北にある『平和の森公園』には、娘と一緒に遊ぶことができる、陽当たりの良い草地が広がっています。休日はキャッチボールをする親子、ジョギングで汗を流す若い男女、散歩を楽しむお年寄り、多くの人で賑わいます。
 ところがこの公園に体育館や陸上トラックを造る計画が持ち上がっていることを知りました。この建設によって、区民の大切な憩の場所が失われるのではないかと心配しています。

 2020年のオリンピックに向け、レガシーという言葉を耳にするようになりました。オリンピック憲章では『競技大会のよい遺産(レガシー)を、開催国と開催都市に残すことを推進する』と掲げられています。しかしスポーツ振興の名のもとに、コンクリートの構造物が緑に囲まれた子供たちの遊び場を奪うことになれば、それがよい遺産と言えるでしょうか。

 立派な建築物(ハコモノ)だけが、人々に豊かさをもたらすとは限りません。緑に富む貴重な公園を守り、次世代へ引き継いでいくことこそ、中野区の大きな遺産となるのではないでしょうか。



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