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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.76
     時計の針を戦前にもどすな

          岡田 豊

 第四十八回衆議院選挙の結果が出た。この選挙では何が問われていたのだろうか。

 第一に、森友・加計問題で明らかになった権力の私物化。
 第二に、安倍政権は、今年の憲法記念日に九条自衛隊加憲を打ち出し、2020年新憲法施行を目指すとした。安倍政権や改憲勢力に発議要件の三分の二の議席(三百十議席)を与えるのか、否か。
 第三に、安倍政権の四年十か月の間に拡大した貧困と格差など経済と社会福祉政策への審判を下す選挙であった。

 結果は、自公だけで三分の二、改憲に必要な三一〇議席を超えた。立憲・市民野党連合は、改憲阻止ラインの一五六議席に遠く及ばなかった。
 安倍政権は、北朝鮮の暴走に乗じて「国難突破解散」と喧伝。戦争の危機と憎悪を煽り、選挙の争点をそらし、本当の「国難」が安倍政権による立憲主義の否定と民主主義の破壊にあることを隠した。

 この権力の嘘と欺瞞を見抜けず安倍政権を信任した国民は今後、大きな代償をはらうことになる。これまでの「秘密保護法」、「集団的自衛権の行使容認と安保関連法」、「共謀罪」に加えて、「緊急事態条項」の制定や「忠君愛国」の教育勅語を教材にすることは否定しないとの閣議決定を踏まえて子供達へ個人よりも「国」が優先するという意識を植え付けるなど、国民を戦争に動員する体制をより一層整備していくだろう。
 今回の選挙で改憲勢力が議席の大半を占めた。希望の党の小池代表も安保法制と憲法改正に賛成することを踏み絵とした。かつて憲法調査会で「いったん憲法を廃止した上で新しいものを作ってはどうか」と述べている改憲派である。
 情況は、大政翼賛の政治と戦後体制の解体の道にむかっている。草の根からの政治を標榜する立憲民主党がその名の通り立憲主義と民主主義の党として羽ばたき、共産党と市民との共同でこの困難を乗り越える党であることを祈る。

 三百十万人の犠牲の上にかち得たこの国の憲法と平和を守るために。



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