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むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.85         justice
   うるさいは正義、だお
          高森 麗

 とうとう「新作」が始まってしまった。低予算・低視聴率の深夜ドラマながら、キャストの熱量で奇跡の名作となった「前作」。8月末には映画も公開され、私は何度も劇場に通った。

 だから「新作」ができると聞いたときは嬉しかったが、某航空会社の全面的なバックアップでパワーアップするというニュースに、喜びは黒い予感に変わった。

 だが、「前作」の「優しい世界」がすべて失われ、主役、ヒロイン、少々可笑しみのあるドラマ名だけが使い回しされるとは、誰が想像しただろう。1分たらずの予告だけで、大きなお金が動いていることは十二分に伝わってきたけれど。

 「金が動くことで、儲かるヤツがいるんだよ」。中野区で起こっているあれこれに私が愚痴るたび、相方からはそんな言葉が返ってくる。

 多くの木々が伐採された公園。そして少子化で、子の小学校はまもなく統合される。バーベキュー広場?陸上トラック?喜ぶ人もいるだろうけれど、遊び場を奪われた子の級友は「もはや平和でも森でもないよね」と言っている。

 子どもむけお便りには、学校統合で友達が増えると書かれていたが、隣の小学校は既に「お友達」がいっぱいで、プレハブ教室が校庭を更に狭くしている。

 工事も統合もやめるのが、一番手っ取り早いし安上がりじゃんねぇ。そんな私の愚痴を一番聞いてくれるのが、相方とむとうさんだ。

 しかしそんなむとうさんでも、この「お金が動く」状況は止められないらしい。むとうさんなんとかしてよ、と正直思わなくもないが、現区長に「すっげぇ騙された気分」な私としては、ずっと変わらない、むとうさんの「わたしはあきらめない!」に、やはりついていこうと決めている。

 だって、映画は3か月近く上映が続いているし、先日は、「前作の脇役」の誕生祭がツイッターのトレンドになった。大きなお金が動いても、ファンの心は「前作」の不動産屋から動かせない。だから私も、中野区から動かず、うるさく愚痴り続ける「お」。

文中のドラマは「おっさんずラブ」です。

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