区議会報告  No.36

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   深まりゆく秋に

    想いを寄せて
                                          2005年11月の警察大学校等跡地


 我が家の玄関先の藤の葉が色づき、風に吹かれて舞い落ちるさまに季節の移り変わりを感じる今日この頃です。
 先日、警察大学校等跡地の中にある仮設広場に立ち入る機会がありました。2年前の秋に、跡地見学会が催され、この地を訪れた多くの区民が、黄金色の銀杏、甘酸っぱい香り漂うアケビや蜜柑、揺れるススキ、黄と紅に染められた木々の葉に、実りの秋を堪能しました。その時の感動を今も鮮明に覚えています。しかし、仮設広場から見える跡地は、かつて生い茂っていた樹木がかなり伐採されており、様変わりしていました。その変わり果てた風景に悲しくなりました。跡地は売却先もほとんど決まり、これからさらに樹木が伐採されてしまいます。1年前に夫に先立たれ、人の命のはかなさをつくづく想う私には、人の命よりも長い時を刻み、物も言わずに人々の営みを見つめてきた木々たちの、悲しみの声が聞こえる気がしました。
 樹木は、酸素をつくり、人の命をつなぎ、心を癒してくれます。緑豊かな町並みの中で、季節の移り変わりを感じながら生活ができる中野の町づくりに、微力ながら力を注いでいきたいと思っています。
むとう有子

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