区議会報告  No.40

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可決された主な議案より 10/24

 「2008年度中野区一般会計補正予算」「サンプラザ地区に係わるまちづくり整備の方針について」「株式会社まちづくり中野21の株主総会における議決権の行使について」

むとうは反対しました

 これらの議案は、中野サンプラザの運営会社(株式会社中野サンプラザ)が所有する中野サンプラザの所有会社(株式会社まちづくり中野21)の普通株式2000株、及びC種優先株式1株、発行時7億7千2百万円を9億7千万円で中野区が買い取り、さらに、運営会社が中野サンプラザを運営するために必要な資産を移した新運営会社である子会社を設立し、その新運営会社を所有会社が取得するために必要な資金であるとする4億5百万円を中野区が所有会社へ追加出資するというものです。合計で13億7千5百万円の補正予算となります。
 区はこれまでも議決権の3分の2を保持し、事業の主導性を確保できていると説明していました。そこに偽りがないのであれば、今あわてて、区が同意しなければ売却できない仕組みである株を買い取る必要はないはずです。また、買い取り価格の根拠が示されず、なぜ発行価格より2億円も高いのか不明です。近年、経営能力のない公共が税金を投入してまで民間の領域に踏み込んで、赤字続きという事例は枚挙にいとまがなく、所有も運営も区が事実上主導するという提案には、大きな不安があります。今後さらなる税金投入の可能性も否定できず、むとうは反対しました。

   

反対討論全文

 ただ今上程されました第76号議案「2008年度中野区一般会計補正予算」、あわせて第77号議案「サンプラザ地区に係わるまちづくり整備の方針について」、第78号議案「株式会社まちづくり中野21の株主総会における議決権の行使について」の3議案に反対の立場からの討論をおこないます。
 本議案は、簡単に言えば、中野サンプラザの運営会社である株式会社中野サンプラザが所有する中野サンプラザの所有会社である株式会社まちづくり中野21の普通株式2000株、及びC種優先株式1株、発行時7億7千2百万円を9億7千万円で中野区が買い取り、さらに、運営会社が中野サンプラザを運営するために必要な資産を移した新運営会社である子会社を設立し、その新運営会社を所有会社が取得するために必要な資金であるとする4億5百万円を中野区が所有会社へ追加出資するものです。合計で13億7千5百万円の補正予算となります。つまり、所有会社と運営会社に出資している企業が撤退するということです。
 区長は、本件買い取りの目的を「区の完全主導による将来のまちづくり」及び「経営の安定化」であるとしています。
 しかし、区はこれまでも議決権の3分の2を保持し、事業の主導性を確保できていると説明していました。そこに偽りがないのであれば、今あわてて、区が同意しなければ売却できない仕組みである普通株式2000株、及びC種優先株式1株を買い取る必要はないはずです。「区は2億円を超える出資はしない」と豪語し、最善のスキームであると誇らしげに語っていたのは、つい4年前のことです。
 区長は就任以来「民間にできることは民間に」との主張を繰り返し述べられていました。まさにサンプラザの運営は民間に任せられる分野であり、その後のまちづくりについては、区が所有しなくても自治体の仕事の領域の範囲で地区計画を定め、建築条例を制定することなどで、中野区民が望むまちづくりを誘導する事はできるはずであると考え、区が取得することに私は当時反対しました。ましてや、第3セクターである所有会社を設立してまでの取得方法には疑問がありました。その直後、これまでの説明をホゴにした新たな株式発行にいたっては言語道断でした。区が言うところの最善のスキームはすでにこの段階から崩れていたと言えます。更なる税金からの資金投入を余儀なくされる日がそう遠くない時期にやってくるように思えてなりませんでした。区長は発足当初に予期し得なかった事態がおきたから、枠組み変更はしかたがないとおっしゃっていますが、果たして予期し得なかった事態なのでしょうか。 そもそも資本力や業務内容の違う複数の民間企業が企業活動の一つとして出資し設立した運営会社ですから、その時々で利害関係が生じ内紛状況になったり、個々の企業の経営状況の変化により撤退にいたることなどは予期できることです。ところが、私の理解の及ばない点があるかとは思いますが、途中撤退の際のペナルティーなどの規定が、契約書や協定書には盛り込まれていないと思われます。これは区の重大な手抜かりではないでしょうか。 また、事業契約書で締結されている再整備事業を実施せずに撤退するのですから、その責任の処し方としては、株式譲渡も含め、引き続き運営事業をおこなう会社を見いだし、区に提案すべきだと考えます。それすらもさせずに、区が税金を投入しての枠組み変更には合意できません。 さらに、発行時7億7千2百万円だったものを9億7千万円で区が買い取る価格の適正さを示す根拠が示されていません。同様に、新運営会社を取得するために必要という4億5百万円の適正さを示す根拠も示されていません。いずれも会計事務所や不動産鑑定所の評価に基づく適正な価格であるとの説明だけです。議員として、それを鵜呑みにして判断することはできません。本来、株は買い手が株価を決めるもので、売り手の立場より、買い手の立場が優位になるはずです。様々な株価の下落が問題となっているこのご時世に、なぜ発行価格より2億円も上昇しているのかが、私を含め多くの区民が納得できない原因です。この点についての説明責任を区は果たしていません。ちなみに、中野区の世帯数は約17万世帯ですから、1世帯あたり約8300円をサンプラザのために拠出してもらうことになります。
 確かに、まちづくりにサンプラザは重要な意義があります。しかし、保育園に入園できない待機児がいるなかで、学校施設の建て替え時期がせまるなかで、耐震性能Dランクのまま放置されている体育館を使用している中央中の生徒がいるなかで、各特別養護老人ホームの待機者が400人もいるなかで、はたしてサンプラザの株を発行価格より高く買うための新たな税金投入に賛成する区民はどのくらいいるのでしょうか。限りある税金の使い方の優先順位が区民の願いとかけ離れているように私は思います。
 また、経営能力のない公共が税金を投入してまで民間の領域に踏み込んで、赤字続きという事例は近年、枚挙にいとまがありません。この度の、所有も運営も区が事実上主導するという提案には、大きな不安があります。
 さらに、新運営会社の有り様が明確に提示されていないことや、サンプラザの設備投資の見通しや、2014年には必要となる融資の返済及びA種優先株式の償還や、再整備に向けた新たな資金調達の方策などの検討がまだなされていない中での新たな枠組みの提案そのものについても検討が十分なされたとは思われません。4年前のてつを二度と踏まないためには、安易にこの提案が最善のスキームだと思いこむ前に、複数の枠組みを考え、提示し、議論を経て決定すべきであると考えます。
 以上、理解の及ばない点もあり、雑ぱくではありますが、第76号議案「2008年度中野区一般会計補正予算」、あわせて第77号議案「サンプラザ地区に係わるまちづくり整備の方針について」、第78号議案「株式会社まちづくり中野21の株主総会における議決権の行使について」の3議案に対する、反対討論といたします。



 「中野区障がい者福祉会館条例の一部を改正する条例」

むとうは反対しました

 この条例改正は、障がい者福祉会館の運営を指定管理者制度による民間事業者が行うこととするものです。民間活力導入によるサービス向上と行政コスト削減を目的とする制度ですが、これまで実施されていた障がい者の福祉に関する相談事業がなくなるなど、質の維持よりも経費削減が優先されるこのたびの指定管理者制度導入には納得できず、むとうは反対しました。

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