秋の紅葉に日本の四季を楽しみつつも、夕暮れ時が早く訪れ、入院中の義母を見舞った帰り道、消えゆく記憶をたぐれずにいる母の姿に、晩秋が身に凍みる今日この頃です。
さて、年老いた二人の母を看るにつけ、この国の老人介護の問題を考えずにはいられません。そこで8月、「医療・介護・福祉」サービスを総合的に提供している京都大原記念病院グループを見学させていただきました。ここは、医学博士の児玉博行氏が高齢化社会の到来を見据え、リハビリテーション病院をはじめ、有料老人ホームなどの高齢者住宅施設、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホームなどの介護施設、自宅での生活をサポートする通所・訪問サービス、配食サービス、さらに人材や情報の提供までの総合的なケアネットワークを、四季折々の美しい彩を魅せる自然豊かな京都大原で展開しています。そこには、信頼できる児玉先生の理念と医療に裏付けされた安心して過ごせる療養環境が用意されていました。ここで暮らす高齢者の穏やかな笑顔が、介護の質の素晴らしさを物語っています。第二、第三の児玉先生の出現を願ってやみません。
むとう有子
[もどる]
|