区議会報告 No.53

0前へ  区議会報告トップ  次へ

議会一般質問より 12/5

文化財を保護しまちづくりに活用せよ
むとう

 今年度から文化財担当が教育委員会から、文化との関連性を導きがたい区長部局の健康福祉部学習スポーツ分野に移った。文化財の保護は、本来は教育委員会の職務権限だ。所管変えの理由は何か。

健康福祉部長

 区長部局で一体的に推進することが、区民の生き甲斐を高め、文化振興に効果的と考えた。

むとう

 今年度の23区文化財行政組織体制人員数の1位は新宿区の27人。最下位の23位は中野区の2人。22位の渋谷区でさえ8人。23区平均は14人。2人で文化財の調査・記録・保存の仕事ができるとは考えにくいが、区の認識は。

健康福祉部長

 今年度より歴史民族資料館を民間委託したため職員数が減員した。区役所での文化財業務は学習スポーツ分野職員の協力体制で適切に対応している。

むとう

 今年度中に歴史文化ゾーンの全体構想を策定予定だが、進捗状況は。

健康福祉部長

 歴史文化資源を活用し散策ルートを設定し、中野の魅力を発掘する取り組みだが、策定に先立つ委託調査が未実施だ。財政状況が厳しい中、策定作業については検討中。

むとう

 伝統技法研究会に委託し、3年間の調査を経て、大正期・昭和前期建造物調査報告書「中野を語る建物たち」が発刊。総経費は1200万円。この調査は私有財産であることから困難を抱えながらも、意義深い内容であり、歴史文化ゾーン構想策定に活かせるものと評価する。調査・記録はできたが、保存は厳しい道のりだ。保存の一つの方法として国の文化財登録制度がある。この制度は、住み続け、元のイメージを残しつつ、必要な修理や増築等も可能であり、設計管理費の補助金や、税制上の優遇措置もあるが、認知度が低く登録に至らない。区内では1年間で約5%の歴史的建造物が滅失。保存が急務。報告書の今後の活用方法は。

健康福祉部長

 調査により歴史的建造物の所在について基礎的把握ができた。文化財登録制度に登録する動きも出た。保護のあり方を検討する資料として活かす。

官製ワーキングプアを作らないよう検証せよ
むとう

 公の施設で民間事業者等が有するノウハウを活用し、行政サービスの質の向上を図るために指定管理者制度が制定され、区では28施設で導入。2010年12月、総務大臣が「自治体の制度の利用状況は質の向上よりも、コストカットのツールとして使われており、官製ワーキングプアを大量に作ってしまったという自覚と反省が必要」と会見で述べ、適切な運用についての通知を出した。制度導入でサービスの質が向上したのか、指定管理者における賃金や労働条件はどのようになっているのか、検証が必要ではないか。

政策室長

 単なる価格競争入札ではなく、効果的サービス提供者の選定や、雇用労働条件の確認は実施している。制度の主旨を踏まえ適切な運用に努める。

子どもたちのために放射線量を測定せよ
むとう

 区は、区民が自主的に区有施設や民有地等を測定し、高さ5センチで毎時1マイクロシーベルト以上の値が出た場合に情報提供されれば、国のガイドラインに沿って測定し除染する方針を発表。区は区民に測定器の貸し出しもせず、区民が自費で購入し測定しているにもかかわらず、情報提供をお願いする姿勢が見られない。区は、6月下旬に東京都から借りた機器で学校の校庭や保育園の園庭、公園の真ん中で試測しただけで、その後、心配される砂場や雨水の貯まりやすい場所などは測定しておらず、区内のマイクロスポット(局所的高放射線量の場所)は不明だ。国の方針では自治体には、マイクロスポットへの対応だけでなく、年間被曝線量を1ミリシーベルト以内に抑えるために、毎時0・23マイクロシーベルト以下になるように監視及び測定をする努力義務がある。現在、独自に測定をしていない区は中野区だけだ。中野区を含む4区を除く19区では急を要する毎時1マイクロシーベルト以上のマイクロスポットはほぼ無いことが推測されるため、次の段階として年間被曝線量を1ミリシーベルトに抑えるために、高さ5センチで毎時0・23から0・25マイクロシーベルト以上が除染対象との考えを示している。区民の情報提供を待つだけでなく、区が区有施設や区有地、通学路などを測定すべきでは。

環境部長

 6月の試測や東京都の測定値から、健康に影響を及ぼすレベルではないため、さらに細かいポイントで試測する考えはない。


*無所属議員の一般質問もシティテレビ中野で放映されますが、一定例会一人です。むとうの放映予定は2012年10月頃の予定です。

もどる