区議会報告  No.60

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 日本を覆う闇に

     憂いの秋






               昭和記念公園にて

 毎年友人から届く美味しい巨峰を口にして秋の始まりを味わい、コスモス・紅葉と美しい自然を楽しみ、それでも夕刻になればすっかり辺りは闇に包まれ、日本を覆う闇を思い、物悲しさを感じる昨今です。
 昨年6月に成立した「原発事故子ども・被災者支援法」は、東京電力福島原発事故による被害者、特に子どもに配慮して、国が生活や健康面で必要な支援をすることを理念に定めた法律です。成立から1年以上が経過した10月、その「基本方針」が被害者の意見を反映しないまま閣議決定されました。一般人の被曝限度である年間1ミリシーベルト以上を支援対象地域とするよう求める多くの被害者の意見を無視し、復興庁は線量を定めず、支援対象地域を福島県東部に限定しました。放射線量の高い地域を抱えながら対象から外された栃木・茨城・千葉県などから怒りの声が上がっています。海への汚染水放出も深刻です。責任を取らない企業と国の倫理観の欠如にあきれるばかりです。
 ほんの数年前には人々の暮らしがあった町、今は誰もいない町に行き、誰もが日常のささやかな幸せを感じられる暮らしの再生を願わずにはいられません。

むとう有子


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