人生の晩秋を迎えて
雲場池 写真提供・加藤洋子さん
足早に陽が暮れる秋の夜長に包まれて、もの悲しさを感じる季節です。この夏、還暦を迎え、初めての厚生年金を受け取りました。勤続年数が短く支給額は少額ですが、受け取る年齢になったことに驚き、人生の晩秋を迎えたと実感しています。
2015年のノーベル物理学賞を梶田隆章氏、医学生理学賞を大村智氏が受賞され、喜びに沸きました。安保関連法を可決した状況下で受賞はできなかったものの、「平和賞に憲法9条を」とする活動が有力候補となったのも誇らしいことです。
文学賞は、ベラルーシのアレクシエービッチ氏がチェルノブイリ原発事故など現代の苦しみと勇気を如実に表す、多様な声を集めた記念碑的作品で受賞され、福島原発事故にも心を痛め「原子力時代を脱却すべきだ」と、日本にメッセージを送ってくれています。
チェルノブイリの教訓を生かさず、日本の技術を過信し、その驕りが招いたのが福島原発事故です。誰もいなくなった土地、立ち並ぶ空き家、畑は汚染土を詰め込んだ袋が山積み……、それでもなお原発の再稼働を急ぐ安倍政権。
身近な課題から今、成すべき事を考える日々です。
むとう有子
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