５時ともなればすっかり日が暮れる秋の夜長、いかがお過ごしでしょうか。

　一ヶ月に及ぶ決算議会が終了し、息子が読み終え無造作に置かれていた「西の魔女が死んだ」（梨木香歩著、新潮文庫）をふと手にし、思わず引き込まれ一晩で読み終えました。すでにお読みになられた方も多いと思いますが、１３５万部を超えるロングセラー小説で、先頃映画化もされました。一言で言えば、12歳の女の子が、歪んだ友達関係や学校から離れ田舎の祖母の下で、自分で考え自分で決めるという｢魔女修行｣をするお話です。
　議会資料が散乱する部屋の中から私は、いつの間にか人里離れた土香る森の中の暮らしに引き込まれて行きました。実はこの｢魔女修行｣に、現代社会と人間の負の問題が隠された奥の深い内容です。今を生きる私たちが、便利さと引き換えに見失ってしまった｢人間も他の生物と同じ自然の一部である｣という認識に基づいて生きていくことの大切さに気づきました。

　ふと手にした本で、かつて｢魔女になりたい！｣と本気で考えていた12歳の私がいたことをふと思い出しました。53歳となった私は、今また心穏やかに生きたいとの願いから｢西の魔女｣ならぬ｢中野の魔女｣になりたいなと思いながら、秋の夜長を楽しみました。

訂正とお詫び
　むとう有子の区議会レポートNo・39　２ページ「◎土地（群馬県上野原市）の売却について」は「（山梨県上野原市）」の誤りです。訂正してお詫びします。

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