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『苦境の中のネパール社会』
あなたが政治問題から目を背けることは自由だ。しかし、そのすべてから離れることはできるだろうか?
ネパール政治はまたもレールから外れてしまった。ネパール民衆が選挙投票により進められた新憲法の制定であるが、公布されないまま期限である5月27日を過ぎてしまった。各州と各民族の主権をうたった連邦制の合意が政党間のあつれきで合意に至らなかったためだ。
副首相のナラヤン・カジュ・シュレスタは、メディアに向けて憲政議会の解散を告げた。「私は悲しい・・話し合いは失敗に終わり、憲政議会は解散することに・・」と目に涙をためて説明した。
3分の2の議会メンバーは民族の自治を謳った連邦制を支持したが、現在野党で主要政党のNC(ネパール会議派)とUML(統一共産党)がこの案を拒否した。
首相のドクター・バタライ(マオイスト派)は如才なく次期の選挙―投票日を今年の11月22日にすることを決め、現在の内閣を暫定的に残すことを発表した。
数名のNCメンバーは大統領のランブラン・ヤダフと会い、憲政議会(CA)の回復を求めた。CAの存続こそがネパールの混迷状態を回復させる唯一の道であると訴えた。首相のドクター・バタライは現在のCA回復を拒否している。「選挙以外手はない」と、インドの主要紙『ヒンズー』に語っている。
現在、共闘関係にあるNCとUMLは政府に対して闘っていくことを決定した。第二次憲政議会の選挙は違法であると主張している。
今日、このような論争は混乱を生むだけで何のメリットもない。
主要政党のマオイスト派、NC,UML,そしてマデイシ・フロント・ズー(南部の地域民族政党)はいずれも多かれ少なかれ党内抗争を抱えている。
その一方で平和構築は中断して、国軍の統合も遅れている。
ネパール国民はフラストレーションを溜めながら政治不信を強めている。
政治とは何なのか・・この国の主体性はどこにあるのか?と、日々煩悶している。政治から目を背けることは自由だ。しかし、そこから離れることはできない。

マデイシの少年

コカナビレッジの少年

新憲法の制定を求める市民デモ、カトマンズで

Dr.バタライ現首相
文と写真:ビビ・フンヤル 訳:志鎌 誠
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