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ネパール、赤の文化
私たちネパール人にとって「赤色」は特別な意味を持っています。私たちの生活において切っても切れない関係を持っています。国旗も赤を基調にしていて、服装においても女性に限らず男性も赤色を好みます。
ネパールでは年間をとおして3月から4月にかけてが結婚式が最も多いシーズンです。
カトマンズの中心地、ダルバール広場でディヤ・シュレスタ(21才)はネワール人のしきたりにしたがって真っ赤なサリーを身にまとい結婚式に臨んでいた。
ネパールでは民主化後、恋愛結婚が増えたとは言え今でも見合い結婚が主流です。(※1)
シュレスタもその例にもれずハンサムな花婿は父親が知人をとおして紹介され選んだ末のことでした。花嫁のシュレスタは“クマリ”(※2)のように美しく、花婿は日本車のトヨタに乗って現れ、ヒンズー教の伝統にのって式は進められて行きました。
花嫁と花婿は広場の一角に敷かれた手製の赤色のカーペットに並んで座り、友人たちの祝福を受けていました。
お酒はネパールのロキシー(焼酎のようなもの)や赤ワインが並びます。
そして、式は夕方近くに終り、花婿は花嫁を車に乗せてゆっくり家路に向かいました。多くの参加者がその車の後を追い、何人もの若者たちが陽気にダンスを踊り、そして、二人の幸福な将来を祈りました。
「赤は神聖で純粋な色だ」と話すのはパシュパナティ寺院に来ていたヒンズー教徒のラム・プラサド・シュパシイだ。それは人としての向上、仕事や生活の改善をも意味する。
さらに彼は「赤ワインは世界中で好まれているものだろう」とも付け加えた。
ヒンズー教徒に限らず仏教徒の間でも祈りや瞑想にふける時、そして踊りを踊る時にも赤の衣装、道具が使われる。
そして、巡礼に出かける時もティカ(おでこの中央に塗る赤いもの)を付け、帰りに赤いリストバンドをしめてくるのは神から恩恵を受けた印となる。
闘争においても同じだ。「赤は生存と活動の象徴だよ。体の中を流れている血のように情熱的なんだ」。このように話すのは20代のサガール、マオイスト派の若いメンバーでもある。
「我々は現在の状況を打開するために心の底から力を得て、しかも赤は特別な力を与えてくれる」
信じる信じないは別にして若い世代の間でマオイスト派支持が広がっている。
もしあなたがネパールに訪れる機会があれば寺院、大学構内、旧王宮といろいろな所に赤のスプレーでスローガンやら落書きを見かけるだろう。
この国ネパールでは“赤の文化”が繁栄を期している。
訳者注
(※1)私が聞いているところ現在ネパールでは見合い結婚は8割から9割、恋愛結婚は1割から2割だそうです。統計はありません
(※2)ネパールに住む“生きた女神”

― 「クマリ」 ―
※さらにこのような報告が届きました。
3月14日、最高裁の決定により最高裁判事が首相となる暫定政府が始まりました。
かねてから懸案となっている憲政議会選挙を行う予定となっている5月までのものとしている。が、ネパール人の誰一人としてその選挙が5月に行われるとは思っていない。
4つの大きな政党は選挙の実施を歓迎している。国民も期待している。しかし、いつ行われるかは未定である。
文と写真:ビビ・フンヤル 訳:志鎌 誠
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