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カトマンズからの便り

小国の悲劇

現在上映中の『イノセント・ボイス12歳の戦場』を見てきた。情況が今のネパールの地方によく似ているので驚いた。中米の小国エルサルバドルで12年間内戦が続いていた。政府軍が12才になった少年を兵士にするため学校にやって来る。“少年狩り”である。子供だけでなく,大人である教師もそれに抗することができない。言うまでもなく軍人は「銃」という恐ろしい武器を携えている。

ネパールの村には革命軍であるマオイストが突然学校に現れて子供たちを連れ去っていく。教師はやはり抵抗することはできない。そして,5〜6日間,軍事キャンプに入れられ教育される。そのうちマオイスト兵が増える段取りだ。また国軍にも20才前後の若者たちが長蛇の列を作って応募試験を受けている。どちらにしろ,それで最低限「食べること」だけは保証されるからだ。

前回お伝えした国王政府主導による地方議会選の投票が2月8日に行われた。“独裁者が行う民主主義選挙”。それに対し,ボイコットした政党側と破壊活動に出たマオイストという状況になった。そのおかげで世界の注目を集めた。日本からも急きょ各メディアの記者がカトマンズに飛んだ。しかし,彼らは自分の仕事が終われば4〜5日で帰ってしまう。そして,小国ネパールは再び“陸の孤島”に戻る・・・。これでは先に挙げたエルサルバドルと同じことだ。問題の解決にはつながらない。

「自分のことだけで精一杯。他の国のことなど構っている暇はないわ」これは多分,多くの人たちの本音であろうと思う。しかし,1日24時間のうちほんの5分間だけでも小国の人たちのことを考えてもらえれば,と願うしだいである。

ネパールレポーター
志鎌 誠
連絡先
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Eメール: sikamac@yahoo.co.jp