ホームプロフィールイベント情報リンク

むとう有子をとりまくうるさい人たちの声


No.95         
   子どもたちが安心して学び、休み、遊べる中野に
          大貫 隆志

 むとうさんと初めてお目にかかったのは、なかのZEROで開催された「育フェス」の場でした。私は生徒指導を背景とした子どもの自殺、「指導死」のパネル展示をしていました。

 熱心にご覧になっているむとうさんに「関心おありですか?」と伺ったところ「とても関心があります」と答えてくださったことをよく覚えています。その後、中野区の教職員研修の講師役としてつないでいただくなどお世話になっています。

 「指導死」は、私の造語です。2000年、私の次男は生徒指導をきっかけに自ら命を絶ちました。新座市の中学校に通っていた中学2年生、当時13歳でした。これをきっかけに学校問題に関心をもち、現在は、学校の事件事故から子どもの命を守る活動をしている一般社団法人「ここから未来」の代表を務めています。

 この4月に「中野区子どもの権利に関する条例」が施行されました。さまざまな子どもの権利がうたわれていますが、私が特に関心を寄せているのは、第9条に定める「学び、休み、および遊ぶこと。そのために必要な環境が整えられること」です。

 日本は1994年に「子どもの権利条約」を批准しながらも、国連・子どもの権利委員会から是正勧告をたびたび受けるなど、子どもの人権後進国です。たとえば子どもたちが不登校状態になると、「怠けている」と非難されてしまいます。

 不登校状態にはさまざまな背景がありますが、教室で、違法とまでは言えないまでも適切ではない指導を受けて深く傷つき、心身を病んだりするケースも少なからずあります。多くは「学校に行きたくて仕方ないのに、行くことができない」状態なのです。

 でもとても残念なことに、その苦しさを理解してもらえることは少なく、「やる気がない」などと、存在を否定されるような言葉をおとなから投げつけられるのです。

 私は、中野の子どもたちが、安心して「学び、休み、遊ぶこと」を願っています。子どもたちが安心して暮らせる社会は、誰にとっても暮らしやすい社会であり、人を取り残さない社会だからです。そして、条例を定めて終わりではなく、川崎市が実践するように、定期的に調査を行い、条例が活かされているかを検証することもおとなの責任だと考えています。

★「ここから未来」制作の小冊子購入、講演のご依頼などは法人Webサイトまで。
https://cocomirai.org/

もどる