区議会報告  No100

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 2022年度一般会計歳入歳出決算 10/6

むとうは反対しました

 財政指標は健全数値だが、不用額は増加し115億円余。見積りの精度を上げ、区民が望む事業を増やすべき。依然23区平均より公共施設の老朽化が進み、建替えに多額の経費が必要になるが、借金額が23区平均より多い239億円。社会資本形成の世代間負担比率が高く、将来世代に負担が重い。

 主要施策の成果に「中野駅新北口駅前エリア施設計画推進」を挙げているが、駅前の一等地を手離す権利変換方式から、土地を所有する定期借地権方式に変更し、公共性の高い施設となるように考え直すべきだった。「囲町東・西地区市街地再開発事業推進」も、公共の福祉を盾に強引に進めた事業だ。

 「全公衆トイレにペーパーホルダーの設置完了」は、12年も要したが成果とする。「最小の経費で最大の効果」と言えない事業が散見され、むとうは反対しました

 なお、国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険特別会計についても反対しました

2022年度一般会計歳出決算額
歳入総額 1,695億3,599万8,331円
歳出総額 1,623億6,965万9,497円
形式収支額  71億6,633万8,834円


2022年度一般会計歳入歳出決算」反対討論 全文
 ただ今上程されました「認定第1号2022年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について」反対の立場から討論をいたします。

 2022年度予算は、区長選挙を控えた予算であり、骨格予算にするべきではないかと指摘させていただきましたが、区長選挙を前にした大盤振る舞いの感が否めない本格予算でした。今後、区長選挙を前にした予算は骨格予算にすることを検討していただきたいと願っています。

 主要施策の成果P46に、「中野駅新北口駅前エリアでは、拠点施設整備に係わる都市計画手続きに向けて、施設計画等の検討を進めました。」と成果として記載されています。

 しかし、私だけでなく多くの区民の望みは、進めるのではなく、一旦白紙に戻し、区民の財産である中野駅前の一等地を手離す権利変換方式から、土地を所有する定期借地権方式に変更し、区民が望む公共性の高い施設となるように考え直すことでした。その意見に耳を貸さずに進めた事業であり、成果とは言えません。

 2022年度が計画を見直す最後のチャンスでした。さらに「囲町東地区や囲町西地区での市街地再開発事業の推進」を成果として記載されていますが、その陰で、デベロッパーの後ろから区が公共の福祉を盾に地権者の基本的人権を踏みにじるかの如く強引に進めた市街地再開発事業であり、これも成果とは言えません。

 閉館となった中野サンプラザを見上げるたびに、そして、空地となった空間からかつてそこに暮らしていた人たちのお顔が浮かび、大変残念に思います。

 また、相変わらず契約落差や未執行などによる多額の残があり、不用額は115億5,751万円となり、とても残念です。

 以前から何度も指摘していますが、予算段階での見積もりの精度を上げて、残額を減らすことはできないのでしょうか。115億円もあれば、区民の要望を叶える事業を増やすことができるので、とても残念に思います。

 残念なことばかりを言いましたが、主要施策の成果P44、1,496万円ですべての公衆トイレにトイレットペーパーホルダーの設置が完了したことは、私にとっても、もちろん区民にとっても、ささやかな成果として、嬉しく思います。
 しかし、トイレットペーパー設置に12年の歳月を要したことは、やはり残念だと言わざるを得ません。

 さて、2022年度歳入歳出決算における、財政指標はおおむね健全な数値であるとのことで、安心したいのですが、相変わらず中野区の公共施設は23区平均より老朽化が進んでいる上に、借金額が23区平均より多い239億円です。社会資本形成の世代間負担比率が高く、将来世代に負担が重くのしかかることになり、大変気がかりです。

 単年度の財政指標はおおむね健全な数値としつつも、中野区の未来は暗くて不安ということですので、1円たりとも無駄にしないという信念を持った区政運営を行っていただきたいと切に願っています。

 しかし、心地良い春の季節であっても区役所から、明治大学中野キャンパスや中野ゼロホールまで、「暑いから」と区長車に乗り込む区長に、税金は1円たりとも無駄にしないという信念をお持ちとは感じることができません。

 真夏の炎天下で、毎日ごみの収集作業を行う職員や、生活保護世帯を訪問するケースワーカーさん、時間に追われて休む間もなく自転車で高齢者宅を訪問し介護するヘルパーさんたちは、暑いからとの理由で徒歩圏内でさえ車を利用することに、理解を示すでしょうか。
 なお、区長の徒歩圏内とは10分以内との答弁でしたが、区の都合で統廃合され、1.5キロを25分かけて通学する小学生に、区長は何と説明するのでしょうか。

 なお、2022年度決算説明書は、大変わかりにくい記載となっています。「事業メニュー」ごとの記載がなくなり、「事務事業」にまとめられている箇所があり、事業メニューごとの執行率の記載がありません。不用額から計算すれば執行率を算出することはできますが、いちいち計算をしなくても一目瞭然にするべきです。

 分科会での答弁では、構造改革の一環だとのことでしたが、これが構造改革だとは理解しがたいことです。さらに予算書に予算額の記載があるものが、決算書に執行額の記載がないなど、理解しがたい決算書となっています。

 2022年度決算そのものには不正も瑕疵も見当たりませんが、中野駅周辺のまちづくりの手法について、私の考え方とは大きな違いがあること、区民が苦しい生活の中から支払う税金だからこそ、1円たりとも無駄にしないという信念とは大きな隔たりがあること、最小の経費で最大の効果を挙げているとは言えない事業が散見されること、以上の理由で、決算について認定しがたいと考えます。

 また、予算編成の過程にある2024年度予算が堅実で無駄のない予算となるよう、期待を込めて、雑駁ではありますが「認定第1号2022年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定」に対する反対の討論といたします。

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