区議会報告 No.75

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議会一般質問より 

   保育事故を未然に防ぎ質の高い保育の提供を
むとう

 5月「2016年保育施設等での事故報告集計」を国が公表。事故件数は前年の1・5倍の587件。ただし、認可外保育施設は事故報告の義務付けがないため、公にならない事故がさらにあると推測できる。587件のうち13件が死亡事故。保育事故を未然に防ぐため、調査権を持つ自治体の責任は重大だ。 東京都が公表している2015年度認可外保育施設立入調査結果一覧の中に、中野区にある2か所の保育施設について
 @便所及び保育室専用の手洗い設備がない
 A児童の避難に有効な位置に非常口が2か所以上ない
 B保育者に研修の機会がない
 C乳幼児突然死症候群の予防への配慮がない
 D保育者数が不足
 E有資格保育者数が不足
等の記載がある。児童の健康や命、保育の質に係わる重要な指摘だが、改善報告未提出のまま運営されている。この2施設と同様の指摘を改善しないまま運営を続けた大田区内の認可外保育施設で昨年、乳児の死亡事故が発生。都の調査の際に区も同行し問題点を把握している以上、この2園に対して都と連携し改善させるべきでは。

区長

 連携をはかっている。

むとう

 子ども・子育て支援法に基づき、認可施設は区が指導・監督することになった。 昨年9月に要綱を定め指導・検査を実施しているが、立入調査項目・対象施設総数・指導検査実施施設数・指摘した内容と改善状況・立入調査結果の公表について答えよ。 区長 検査項目は運営管理、保育内容、会計経理。検査対象園60、昨年度検査数23、今年度中には全施設実施見込み。 避難や消火訓練の回数不足などがあったが改善が完了。HPで公表する。 むとう 姫路市の認定子ども園で、保育士数の水増し請求、定員の1、5倍の受け入れ、40人分を70人で分けた給食の実態が、抜き打ち検査で発覚。この事例からも抜き打ち調査をするべきでは。

区長

 通報があった場合、抜き打ち調査を実施している。

むとう

 転園は夜泣きや食欲低下を招くなど子どもへの精神的負担が大きい。園庭など施設環境が整い、就学時まで通え、転園する必要が無い保育園を増設するべきでは。

区長

 全園を全年齢児対応にするのは現実的ではないため、地域型保育事業も推進する。

   教員の労働実態を把握せよ
むとう

 国が全国の公立小中学校各400校の教員を対象に10年ぶりに実施した結果によると、校長・副校長・教諭・講師・養護教諭のいずれも勤務時間が増加。小学校では33、5%、中学では57、6%の教員が週に20時間以上残業し、厚生労働省が定めている過労死ラインに該当する。教員は、労働基準法で定められた時間外労働の割増賃金の適用がなく、残業代相当分として給与の4%が一律支給されているため、労働時間の管理意識が欠如している。近年、教員の過労死もあり、主要国で最も長いとの調査結果もある。長時間労働の是正が課題。しかし未だに、教員の出退勤の管理は出勤簿への捺印のみで、時刻の確認ができない学校が90%もある。タイムカードを導入しても中野区のように不正打刻(注参照)を行う人がいては、正確な把握はできない。何らかの方法で客観的な数字の把握が必要ではないか。

教育長

 学校管理職が目視で把握し、報告を受けている。厳密に把握する必要はない。

むとう

 ブラック企業そのものと言われている教員の長時間労働は、教員自身の自己研鑽の時間を奪い、教育の質の低下を招き、児童生徒にとって大きな損失となる。まずは、実態の把握に努めるべきだ

                   注 不正打刻事件とは

 2004年、区参事の無断欠勤に対し、当時の総務部長と課長(現教育長)が、本人の職員カードを使用して出勤簿に打刻し、出勤を装って給与を支給させた事件。住民監査請求、行政訴訟を起こされ、2009年に住民側全面勝訴。

*無所属議員の一般質問もJCOMで放映されますが、一定例会1人あるいは2人です。むとうの放映予定は12月頃です。


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