区議会報告 No.76

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議会一般質問より 9/13

 後発ジェネリック医薬品使用促進は慎重に
むとう

 ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許期間が切れた後に、先発医薬品と「同等」の品質で製造販売される低価格の後発医薬品のこと。区では、増大する医療費の削減を目指し、積極的に後発医薬品の利用を区民に促している。さらに、先発医薬品から後発医薬品に替えると薬代がいくら軽減できるかを試算した差額通知も区民に送付している。
 しかし、「同等」とは「同じ程度」という意味で、完全に同じではないことに注意しなければいけない。ジェネリック医薬品は先発品と同一主成分を有しているが、添加物や製造工程は同一ではない。そのため思わぬ副作用やアレルギーが発症する可能性があることを認識し、ジェネリック医薬品への切り替えは、安さばかりを強調せず、医師と十分に相談し、慎重にするよう区民に周知するべきではないか。

区長

 添加剤が原因で副作用の可能性もある。ジェネリック医薬品の使用は、かかりつけ医や薬剤師に相談するよう、丁寧な説明に努める  ジェネリック医薬品と先発医薬品は同一製品ではないことについて、適切な表現に改める。

むとう

 「生活保護のしおり」においては「同等」ではなく「同じ効き目」と断言しているのは問題である。文言を訂正するべきでは。

健康福祉部長

 ジェネリック医薬品と先発医薬品は同一製品ではないことについて、適切な表現に改める。

 後発品には、主成分のみが同一のジェネリック医薬品と、先発メーカーから承諾を得て製造した、原薬・添加物・製造工程が先発品と全て同一のオーソライズド・ジェネリック医薬品の2種類がある。


 度重なる清掃工場での死亡事故を防ぐ対策を
むとう

 8月27日(日曜日)、新江東清掃工場で、ごみクレーン上にてワイヤー張替の準備中に、工事を請け負っている株式会社タクマの下請け会社、北畑開発研究所の従業員1名が、約8メートル下のコンクリートの床に転落し、死亡する痛ましい事故が発生した。監督員がいない上に、安全ベルトを着けていなかったようだ。この補修工事は契約金額1千90万8千円で、タクマとの特命随意契約。特命契約の理由として、工事に伴うクレーンの停止期間の最小化があげられており、工場の稼働効率を優先する東京23区清掃一部事務組合の姿勢を垣間見ることができる。
 新江東清掃工場では、2002年、13年にも転落死亡事故があり、今回で3度目の転落死亡事故。いずれも、工事を請け負っているタクマの下請け会社の作業員だ。その都度、原因究明をし、さらなる安全対策が講じられてきたはずだが、教訓が生かされず、同じ工場で同じ請負会社の転落死亡事故が3度も発生したことは異常事態であり、タクマの責任は重大だ。今年度すでに、新江東清掃工場におけるタクマとの随意契約金額は、9億7千万円を超えている。下請け労働者の安全管理責任は元請け業者であるタクマにあることは言うまでもないが、請負業務に係わる職安法、人材派遣法、労働安全衛生法などの法令遵守をさせる責務や安全配慮義務は、発注者である清掃一組にもあり、その構成員である中野区にも責任の一端があることを自覚するべきだ。清掃一組に分担金を払っているので、あとはお任せではなく、区の責任において、死亡事故の原因究明、再発防止対策とその公表を清掃一組に求めるべきではないか

環境部長

 同じ工場で死亡事故が発生したことは大変ゆゆしき事態だ。安全管理を一層徹底し、再発防止に努めるよう清掃一組に求めていきたい。

むとう

 清掃事業を23区に移管して以降、工場運営に係る業務委託が拡大の一途を辿り、清掃工場の安全管理体制が極めて危うい状態になっていることを、区長がしっかり認識され、二度と死亡事故が起こらぬよう責務を果たしていただきたい。


*むとうの一般質問がJCOMで12月10日(19時)、12月13日(18時)、12月16日(17時)に放映される予定です。ぜひ、ご覧ください。

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