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カトマンズからの便り

 ―ビビのカトマンズ便り―
       ネパールモンスーン

 「パニは私たちの生活そのものよ」とサヌ・マヤ・グルングは話す。パニとはネパール語で雨とか水を指す日常よく使う言葉です。
 「私たちはいつも十分な雨が降るように祈っている」
 ポカラ近郊のタンポス村に住んでいる彼女は仲間とともにぬかるんだ水田に足を付けながら忙しそうに働いていた。
 「雨は天からの矜持だ」とネパールの農民は真剣に考えている。自分たちの生活の維持に直結している。
 十分な雨が降らなければ秋の収穫の時、豊かな米や作物が獲れないことは言うまでもない。山岳地方の農民たちは灌漑用の高度な機具は持っていない。彼らは自然の恵みのみを頼りに毎日精を出している。
 気象的にみるとインド洋から運ばれてくるモンスーンがヒマラヤ山脈の冷たい空気とぶつかりネパール全土に雨をもたらしている。


 ―モンスーンの中で―


 ―マナング地方―

 しかし、一方でそれは“凶器”ともなり得る。
 昨年モンスーンがインドと国境を接するネパール南部のテライ地方を襲った。
 ネパールで一番長いサプタフジ川が洪水氾濫、流れはうねりテライ東部を襲った。
 その結果、大勢の避難者とホームレスを生んでしまった。
 家族と家と田畑をすべていっぺんに失ったバンカリ・ラル・チョダハリ(56才)は今、カトマンズの煉瓦工場で煉瓦を運ぶ仕事をしている(注:ネパールの家の大半は煉瓦造りである)。
 ネパールの大衆酒ロキシーをチビリチビリ飲みながら彼は涙を浮かべていた。
 彼の口は重かった。今でも洪水がトラウマとなっている。
 そして、ポツリと「あの洪水が俺の人生の大半を奪ったよ」とだけ呟いた。


 ―アンナプルナ地方―


 ―ムスタン近郊―


 ―シェルパ族の婦人たち―


 写真と文:ビビ・フンヤル 訳:志鎌 誠